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松本零士の漫画を読んでみたいなら、まずは『銀河鉄道999』の1巻からにしましょう。『宇宙海賊キャプテンハーロック』も『クイーン・エメラルダス』も気になると思います。それでも今日は一冊だけ。ほかの作品は、読み進めたくなったときに順番に手を伸ばせば大丈夫です。
2026年7月25日には『銀河鉄道999』の新作劇場アニメの製作が発表されました。ストーリー原案はりんたろうさん、アニメーション制作は東映アニメーションです。アニメの記憶はあるけれど原作の漫画は読んでいない、という人が戻ってくるにはよい時期だと思います。
はじめての人におすすめの読む順番
宇宙を舞台にした代表作は、次の順で読むと人物の関係がつかみやすくなります。分量はBOOK☆WALKERの電子版の冊数を目安にしました。電子版が見当たらない『1000年女王』だけ、紙の本の巻数です。
| 順番 | 作品 | 分量の目安 | ここで読む理由 |
|---|---|---|---|
| 最初 | 銀河鉄道999(アンドロメダ編) | ビッグコミックス版の1〜14巻 | 基本は一つの星で一話の連作なので、一話ずつ区切って読めます |
| 次 | 宇宙海賊キャプテンハーロック | 全5冊 | 戦う側の大人たちの物語です。西暦2977年の地球が舞台です |
| 三番目 | クイーン・エメラルダス | 全2冊 | 公式サイトが、ハーロック、999とともに「零次元宇宙」を構成する要の作品と紹介しています |
| 四番目 | 新竹取物語 1000年女王 | 紙の文庫版・愛蔵版で全3巻 | 松本さんの宇宙の物語を、もう一段深く読むための作品です |
| 最後 | 銀河鉄道999(エターナル編) | ビッグコミックス版の15〜21巻 | アンドロメダ編の続編です。21巻は外伝『銀河鉄道物語』が中心です |
全部読む必要はありません。ビッグコミックス版の1巻には第1話から第10話までが入っています。まずはそこまで読んで、続きが気になるかどうかで決めれば十分です。
もし「物語の終わりまで読みたい」のなら、アンドロメダ編の14巻を一つの区切りにしましょう。一方で、『宇宙海賊キャプテンハーロック』は「第一部完」のまま未完で、エターナル編も2005年の増刊を最後に新しい話が描かれていないとされます。松本さんは2023年2月13日に亡くなっているので、この二つは途中で止まった物語として読むことになります。完結作が好きな人は、先に知っておくと安心です。
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発表された順に読まなくていい理由
「古い順に読めばいい」と考えたくなりますが、松本作品ではそれが決め手になりません。代表作がほとんど同時に始まっているからです。公式サイトの作品解説から、初出を並べてみます。
| 開始 | 作品 | 掲載誌 |
|---|---|---|
| 1971年 | 男おいどん | 少年マガジン 5/9号 |
| 1974年 | 宇宙戦艦ヤマト(漫画版) | 冒険王 11月号 |
| 1976年 | わが青春のアルカディア | ビッグコミックオリジナル 5/5号 |
| 1977年 | 宇宙海賊キャプテンハーロック | プレイコミック 1/13号 |
| 1977年 | 銀河鉄道999 | 少年キング 1/24,31合併号 |
| 1978年 | Queenエメラルダス | 少年マガジン 1/8号 |
| 1980年 | 新竹取物語 1000年女王 | サンケイ新聞 1/28付 |
『ハーロック』と『999』は、同じ1977年の1月の号から別々の雑誌で始まっています。もともと『999』『ハーロック』『エメラルダス』は一つの物語として構想され、別々の作品に組み直されたものとされています。どれかが先に完成していて、次の作品がそれを受けたわけではありません。だから発表順より、読者が入りやすい作品から始めるほうが素直です。
『999』を最初にすすめるのは、少年誌の連載で、主人公の鉄郎と一緒に宇宙を知っていける形だからです。公式サイトも、この作品について、テレビや映画で知られるが「その神髄は原作漫画に最も色濃く見られる」と書いています。
年号で一本につなげようとしない
読み進めると、年号が合わないことに気づくかもしれません。『ハーロック』の舞台は西暦2977年です。一方、テレビアニメ版『999』は第1話で西暦2221年とされていて、700年以上の開きがあります。『1000年女王』の物語は1999年から始まります。
ここで年表を作ろうとすると、たいてい行き詰まります。複数の作品に同じ名前の人物が出てきても、物語がつながっている場合と、名前が同じだけの場合、世界は別でも性格や役割が似ている場合が混ざっているからです。年号は「はるか未来」の目印くらいに受け取って、作品ごとの物語を楽しむのが気楽です。
人物のつながり(ここから核心に触れます)
『999』を読み進めてから開いてください。公式サイトの解説をもとにした主なつながりは、次のとおりです。
| 人物 | つながり | 分かる作品 |
|---|---|---|
| メーテルとエメラルダス | アンドロメダ編ではライバルの位置づけで、エターナル編で双子の姉妹とされました。公式サイトは現在、エメラルダスを「メーテルの双子の姉」と紹介しています | 銀河鉄道999(エターナル編)ほか |
| プロメシューム | 機械化帝国の女王でメーテルの母。『1000年女王』の雪野弥生が、後のプロメシュームです | 銀河鉄道999、1000年女王 |
| トチロー | ハーロックの盟友で、エメラルダスの恋人。アルカディア号の中枢コンピューターとなって、ハーロックと意思を通わせます | 宇宙海賊キャプテンハーロック、クイーン・エメラルダス |
ただし、この関係は連載の初めから決まっていたものではありません。連載当時の『クイーン・エメラルダス』では、エメラルダスは地球生まれという設定でした。『1000年女王』も、連載中は『999』とのつながりを前面に出していませんでした。後の作品で関係が明かされて、全体の輪が閉じていったと考えると分かりやすいでしょう。
「ハーロック」という名前も、一人の人物だけを指すとは限りません。『ガンフロンティア』は同じくハーロックを主役にした西部劇で、青年誌の作品なので性描写があります。『わが青春のアルカディア』の主人公は、第二次世界大戦末期のドイツ空軍の撃墜王、ファントム・F・ハーロックII世です。漫画版『宇宙戦艦ヤマト』には、主人公の兄が「キャプテンハーロック」と名乗る海賊として登場します。こうした作品は、順番を気にせず、気になったときに読めば大丈夫です。
宇宙ものが得意でないなら
松本零士の入口は、宇宙だけではありません。もし宇宙ものに気が進まないなら、次のどちらかを一冊だけ試してみてください。
- 『男おいどん』(全6冊):九州から上京した大山昇太の、四畳半の下宿暮らしを描いた青春人情漫画です。公式サイトは「自伝的要素の強い」作品と紹介しています。『999』の1巻にも「大四畳半惑星の幻想」という回があるので、両方読むと宇宙と四畳半の近さが見えてきます。
- 『ザ・コクピット』(全11冊):第二次世界大戦を題材にした短編のシリーズです。続き物が苦手な人には、こちらのほうが手に取りやすいはずです。ただし、青年誌に載った話には性描写が多いものがあります。
どの版を選ぶか
『銀河鉄道999』は版が多いので、買う前に中身を確かめましょう。迷ったら、電子ならビッグコミックス版が手軽です。BOOK☆WALKERでは全21冊で配信されていて、1〜14巻がアンドロメダ編、15巻からがエターナル編です。
紙で手元に置きたいなら、2023年に刊行が始まった小学館クリエイティブの新装版があります。アンドロメダ編全10巻とエターナル編全5巻の構成で、エターナル編の第5巻には、以前の小学館の単行本(ビッグコミックスゴールド版)に未収録だった話が初めて収められました。
注意したいのは『新竹取物語 1000年女王』です。2026年11月5日の時点で、BOOK☆WALKERとebookjapanの検索には電子版が出てきません。読むなら、小学館の文庫版(全3巻)などの紙の本を探すのが近道です。電子と紙の違いが気になる人は、電子と紙を比べた記事も参考にしてください。
アニメで観た人へ
テレビアニメや映画で『999』を観た人も、原作は1巻から読むことをおすすめします。アンドロメダ編は原作、テレビアニメ版、劇場アニメ版でそれぞれ展開が異なり、結末も同じではありません。覚えている話と違う場面に出会えるのは、アニメから入った人の楽しみです。
結末まで知っていても、原作の一話ずつの短い旅は別の味わいになるはずです。どこから手を付けるか迷ったら、やはり1巻の第1話からで大丈夫です。まずは一冊、鉄郎が乗り込むところまで読んでみましょう。
参考(2026年11月5日確認)
- 松本零士 零時社 オフィシャルサイト「松本零士作品一覧」 — https://leijisha.jp/works/
- 松本零士 零時社 オフィシャルサイト トップ(プロフィール) — https://leijisha.jp/
- 松本零士 零時社「新作劇場アニメーション作品『銀河鉄道999』製作決定」(2026年7月25日) — https://leijisha.jp/news/651/
- BOOK☆WALKER「銀河鉄道999(ビッグコミックス)」 — https://bookwalker.jp/series/125912/
- BOOK☆WALKER「宇宙海賊キャプテンハーロック -電子版-」 — https://bookwalker.jp/series/7537/
- BOOK☆WALKER「クイーンエメラルダス(週刊少年マガジン)」 — https://bookwalker.jp/series/4544/
- BOOK☆WALKER「男おいどん(週刊少年マガジン)」 — https://bookwalker.jp/series/4602/
- BOOK☆WALKER「ザ・コクピット〔小学館文庫〕(少年サンデー)」 — https://bookwalker.jp/series/128860/
- Wikipedia「銀河鉄道999」 — https://ja.wikipedia.org/wiki/銀河鉄道999
- Wikipedia「宇宙海賊キャプテンハーロック」 — https://ja.wikipedia.org/wiki/宇宙海賊キャプテンハーロック
- Wikipedia「クイーン・エメラルダス」 — https://ja.wikipedia.org/wiki/クイーン・エメラルダス
- Wikipedia「新竹取物語 1000年女王」 — https://ja.wikipedia.org/wiki/新竹取物語_1000年女王
- Wikipedia「松本零士」 — https://ja.wikipedia.org/wiki/松本零士
- Wikipedia「戦場まんがシリーズ」 — https://ja.wikipedia.org/wiki/戦場まんがシリーズ
- Wikipedia「ガンフロンティア (漫画)」 — https://ja.wikipedia.org/wiki/ガンフロンティア_(漫画)